単刀直入にいうと、あなたはECN口座に興味があり、ECN口座利用してプロ同等の環境でトレードしたいと考えいているのではないでしょうか。
確かに、海外業者ではECN口座と呼ばれる口座タイプがありますが、一体、何なのか、どんなメリットがあるのか、気になっている方も多いと思います。
結論からいうと、ECN口座は、スタンダード口座(STP)よりも、高い約定力・狭いスプレッドで提供されています。
そのため、とくに短期売買で取引する方は、高いスペックで上級レベルの取引ができることは間違いありません。
この記事では、ECN口座の詳しい仕組みや、メリット・デメリットを図解を用いて詳しく解説します。
また、ECN口座に興味を持った方のために、8つのオススメ業者を一覧表で徹底比較しています。
この記事を最後まで読めば、ECN口座とはどんなものなのか、本当にあなたが利用すべきなのか、詳しく理解できるでしょう。
1. ECN口座とは電子取引所を利用した取引方式
ECN口座とは、電子取引所を利用した買主と売主のマッチングにより高い約定力を実現する口座タイプです。
NDD方式を採用する業者にはSTP口座、ECN口座の2種類が備わっている場合が多く、
ECN口座では、取引手数料がかかりますが狭いスプレッドで取引できるという特徴があります。
具体的なSTP・ECNの具体的な違いを図解を用いて説明しようと思います。
1-1. ECN口座の仕組み(図解)
ECN(Electronic Communications Network)とは、日本語で「電子取引所取引」を意味し、
ECN口座での取引は、トレーダーの注文をFX業者ではなく「電子取引所」を利用してマッチングする仕組みとなっています。
※電子取引所とは、世界の投資家・銀行・金融機関から大量の注文が集められている場所。
つまり、トレーダーの注文は電子取引所に直接送られ、システムによってレートを提示しているリクイディティプロバイダーやFX業者、投資家とマッチングする構造になっており、買いたい価格と売りたい価格がマッチングしたときに取引が成立し約定します。電子取引所の利用料として、FX業者は取引手数料を徴収しています。
ECN口座での取引は、FX業者を通さず直接、電子取引所でマッチングできるため、狭いスプレッドと高い約定力が実現できるのです。
1-2. STP口座とECN口座の違い(図解)
STP (Straight Through Processing)とは、トレーダーの注文をFX業者がカバー先の金融機関(リクイディティプロバイダー)とマッチングさせる仕組みです。
ECNとの具体的な違いは、
- STP口座:”FX業者” を通して注文をマッチング
- ECN口座:”電子取引所” を通して注文をマッチング
という、注文のマッチング場所の違いです。
STP口座では注文がインターバンクに直接流れるとは言え、FX業者を通しているため注文が操作される可能性もゼロではありません。
しかし、ECN口座では注文がFX業者を通さず、電子取引所のシステムで自動的にマッチングできるため注文が操作される可能性はありません。買い手と売り手の希望価格がマッチングしたときに約定する透明性の高い仕組みでs。
そのため、希望通りの注文価格で取引できる、高い透明性を求める方にはECN口座がオススメです。
1-3. 取引コストの違いをシミュレーション
例えば、米ドル/円(1ドル=100円)を10lot(100万通貨)取引した場合のトータルコスト比較を、
XMのスタンダード口座(STP)と、ZERO口座(ECN)を例にシミュレーションしてみます。
1-3-1. XMスタンダード口座(STP)の場合
スタンダード口座での米ドル/円のスプレッドは1.6pips(0.016円)なので、
スプレッドでのコストは、1,000,000通貨×0.016円=16,000円となります。
スタンダード口座(STP)では取引手数料がかからないため、トータルコストは16,000円です。
1-3-2. ZERO口座(ECN)の場合
ZERO口座での米ドル/円のスプレッドは0.1pips(0.001円)。
スプレッドでのコストは、1,000,000通貨×0.001円=1,000円となります。
ZERO口座(ECN)では取引手数料が1lot往復10ドルかかるため、10lotの場合は1万円の手数料が発生。
スプレッドと取引手数料を加算すると、トータルコストは11,000円となります。
2. ECN口座の5つの特徴・メリット
STP口座と比較した際の、ECN口座の特徴・メリットは5つあります。
とくに、ECNでの取引はFX業者ではなく、電子取引所で直接マッチングできるため、高い約定力を持つことが魅力です。
取引手数料はかかりますが、スプレッドが狭い事で取引コストを抑えることができる点もメリットです。
ECN口座の利用を考えている方は、どのような点が自分にとってメリットとなるか詳しく見てみると良いでしょう。
2-1. 約定スピードが早い
ECN口座では、トレーダーの注文が直接、電子取引所に投げられます。
そして、同じ電子取引所の中で、トレーダーの注文と、カバー先の注文が即座にマッチングされるため、高い約定スピードを実現しています。
通常、STP口座では業者が対処できない100万通貨を超えるような大口の取引でも、参加者の多い電子取引所での取引だれば約定しやすいという特徴もあります。
ただし、ECN口座では膨大な量の注文からマッチングを行っているだけなので、
- 反対注文が極端に少ない
- 市場の取引量自体が少ない(参加者が少なく、流動性が低い)
という問題があれば、原理的に約定スピードは下がってしまいますので注意が必要です。
2-2. 約定拒否が起こらない
ECNでの取引は、電子取引所に集まったあらゆる注文からシステムがマッチングするまで注文状態が続きます。
そのため、ECN口座の取引では約定拒否が起こらない仕組みとなっています。
逆に、STP口座では、海外FX業者側の判断で約定拒否(リクオート)が起こるリスクも多少はあるので、自分の思い通りの価格でしっかりと約定させたい方は、ECN口座の利用がオススメできます。
2-3. 板情報で価格が確認できる
ECN口座では、電子取引所にどのくらいの注文がどの価格帯で集まっているのか「板情報」で一目で確認することが可能です。
板情報で現在集まっている注文情報が見れるので、
- 相場の流動性
- 売られすぎ・買われすぎなど相場の過熱状況
注文状況から様々な分析をすることができます。
そのため、流動性の高い時間に取引することで約定力の高い取引を狙ったり、市場に集まる注文からトレンド予測を立てるといった取引戦略に利用することまで役立てることができるのです。
2-4. 取引コストを安く抑えることもできる
ECNでは、STPに比べスプレッドが狭いというメリットがあります。
実質、ECNでの取引は取引手数料がかかりますが、シミュレーション結果からもわかるとおり、取引手数料がかかっても、スプレッドの狭いECNの方が取引コストを安く抑えることが可能です。
もちろん取引量にもよりますが、大口で取引するトレーダーはECN口座を利用した方がコストを安く抑えられる場合が多いです。
2-5. 取引手数料は節税対策として経費にもできる
ECN口座ではスプレッドとは別に取引手数料というコストがかかります。
スプレッドコストは経費として計上できませんが、ECN口座での取引手数料は経費計上できるため、節税対策になります。
そのため、大口での取引を行う方、海外FXで大きな儲けが出ている方はECN口座を利用した方が、コスト面・節税面両方でメリットが受けられるでしょう。
3. ECN口座の4つのデメリット
STP口座と比較した際に、ECN口座のデメリットとなる部分は5つです。
STP口座に比べると最低入金額や取引数量、レバレッジなどに制限がある点が大きなデメリットです。
そのため、業者によってはSTP口座と同じ環境で取引できない場合もあります。
実際に使ってから損しないためにも、ECN口座の利用を考えている方はデメリットに関しても十分理解しておきましょう。
3-1. 取引手数料が発生する
はじめてECN口座の利用する方にとっては取引手数料が発生することで、「最初から損失を抱えてしまう。」とネックに感じてしまう方も多いでしょう。
しかし、基本的ECN口座での取引手数料がかかっても、STP口座のスプレッドに比べると取引コストが安くなる場合がほとんどです。
ただし、FX業者によっては、STP・ECN口座のスプレッド差が小さい通貨ペアもあり、場合によってはECN口座での取引の方がコスト面で不利になる可能性もあります。
ECN口座で失敗しないためには事前に取引する通貨ペアのSTP口座とのスプレッド差を調べておくと良いでしょう。
3-2. 最低入金額や取引数量が高い
TradeViewの場合
STP(スタンダード口座) | ECN(ILC口座) | |
最低入金額 | 100ドル | 1,000ドル |
取引数量 | 1,000通貨 | 10,000通貨 |
例えば、TradeViewの場合、STP口座・ECN口座を比較してみると、ECN口座の方が、最低入金額や取引数量が高く設定されていることがわかります。
FX業者によって違いはありますが、このようにECN口座では基本的に上級者向けのスペックになっている場合がほとんどです。
3-3. 最大レバレッジが低い場合がある
STP・ECN口座の最大レバレッジ比較
STP | ECN | |
XM | 1,000倍 | 500倍 |
TradeView | 500倍 | 200倍 |
LANDFX | 500倍 | 200倍 |
FX業者にもよりますが、実際に3社ではSTP口座に比べて、ECN口座では最大レバレッジが制限されています。
ECN口座のレバレッジが低い理由に関しては、
- ハイレバで大損させないようにするため
- トレーダーに資金管理を徹底させるため
など様々な配慮がありますが、要はFX業者にとってはスプレッドや取引手数料で利益をあげているため、簡単にトレーダーを退場させたくないという意志を感じます。
そのため、ハイレバでの取引にこだわる人はSTPでの取引が有利になるでしょう。
3-4. ボーナスキャンペーンが適用外の場合も
XMのボーナス例
STP | ECN | |
ボーナス | ・未入金ボーナス ・100%入金ボーナス ・XMPロイヤリティプログラム |
・未入金ボーナス |
例えば、ボーナスに力を入れているXMの場合、STP口座では3種類のキャンペーンが適用されていますが、ECN口座では未入金ボーナス1つのみしか適用されていません。
FX業者にもよりますが、基本的にボーナス狙いのトレーダーはSTP口座を利用した方がお得です。
4. 海外FXでECN口座の利用をオススメできる3人のタイプ
特徴・メリットから、ECN口座の利用をオススメできるトレーダーのタイプは3つです。
スキャルピングで取引するトレーダーはECN口座のメリットを大きく受けられるでしょう。
ECN口座を利用しようか迷っている方は、3人のトレーダーにあてはまっているか判断してみましょう。
4-1. コストを抑えて取引した人
結論から言うと、取引手数料を払ってもECNの狭いスプレッドで取引した方が、STP口座よりもトータルコストを安くできる場合が多いです。
そのため、取引コストを最小限に抑えてトレードしたい方には、ECN口座がオススメできまs。
コストが重なる短期売買でトレードする方は、ECN口座が有利です。
4-2. 大きい額での取引をする人
海外業者の場合、国内業者の比べスプレッドが広く設定されているので、大口の取引になるほどコストも大きくなります。
さらに海外FXでは高いレバレッジにより、スプレッドだけでも手数料が万単位でかかります。
そのため、大口のコストを少しでも抑えるためには、スプレッドの狭いECN口座が有利です。また、ECN口座の取引手数料は経費計上ができる分、税金を抑えるメリットもあります。ECN口座は、大口の投資家にとってメリットが大きいのです。
4-3. スキャルピングでトレードしたい人
スキャルピングでは、短期間に多くの取引を行うため取引コストが重なります。
さらに、スキャルピングでは小さな値動きでも利益が大きく左右されるため、快適にトレードするためには、約定力の高さも必要です。
そのため、スキャルピングで取引する方にとっって、
- 取引コストが安い
- 約定力が高い
という2つの特徴は大きなメリットです。
とくに大口でスキャルピングを行うトレーダーにとってはECN口座を使わなければ損と言い切れるでしょう。
5. 海外業者8社のECN口座を一覧比較
スペック比較
最低入金額 | 取引単位 | レバレッジ | ロスカット水準 | 取引ツール | |
---|---|---|---|---|---|
XM (ゼロ口座) | 100ドル | 1,000通貨 | 500倍 | 20% | MT4 |
AXIORY (ナノスプレッド口座) | 50ドル | 1,000通貨 | 400倍 | 20% | ・MT4 ・cTrader |
TradeView (cTrader・ILC口座) | 1,000ドル | 1万通貨 | ICL:200倍 cTrader:400倍 | 100% | ・MT4 ・cTrader |
TitanFX (ブレード口座) | 200ドル | 1,000通貨 | 500倍 | 20% | ・MT4 ・MT5 |
HFMarkets (ゼロ口座) | 200ドル | 1,000通貨 | 500倍 | 20% | MT4 |
LANDFX (ECN口座) | 2,000ドル | 1万通貨 | 500倍 | 30% | ・MT4 ・MT5 |
FBS (ECN口座) | 1,000ドル | 1,000通貨 | 500倍 | 20% | MT4 |
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取引コスト比較
ドル/円 | ユーロ/円 | ポンド/円 | 豪ドル/円 | ユーロ/ドル | 手数料往復 | |
---|---|---|---|---|---|---|
TradeView (cTrader・ILC口座) | 0.6pips | 0.9pips | 1.0pips | 1.0pips | 0.6pips | 5ドル (0.5pips) |
AXIORY (ナノスプレッド口座) | 0.8pips | 1.0pips | 1.3pips | 1.3pips | 0.8pips | 6ドル (0.6pips) |
FBS (ECN口座) | 0.9pips | 1.1pips | 1.7pips | 1.1pips | 0.6pips | 6ドル (0.6pips) |
LANDFX (ECN口座) | 0.59pip | 1.5pips | 1.8pips | 1.6pips | 0.8pips | 7ドル (0.7pips) |
XM (ゼロ口座) | 1.1pips | 2.1pips | 1.1pips | 1.3pips | 1.6pips | 10ドル (1.0pips) |
TitanFX (ブレード口座) | 1.03pips | 1.44pips | 2.15pips | 1.82pips | 0.9pips | 7ドル (0.7pips) |
HFMarkets (ゼロ口座) | 1.0pips | 1.6pips | 2.2pips | 2.2pips | 0.9pips | 8~12ドル (0.8~1.2pips) |
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まとめ|コスト・約定力重視のトレーダーはECN口座を利用しないと損!
正直に言うと、STP・ECNを比較するとECN口座の方がスペック面では圧倒的に有利でしょう。
その理由としては、ECN口座を利用した方が取引コストや約定力といった、FXの利益に大きく関係する部分が優れているからです。
しかし、ECN口座のスペックは高いとは言え、最低入金額・取引数量が高い面からも、中〜上級者向けの仕様となっています。
さらに、
- 最大レバレッジが低い場合がある
- ボーナスキャンペーンが適用外の場合もある
という2つのデメリットからも、ハイレバでの取引やボーナス狙いのトレーダーにとってはSTPを利用した方が有利な側面もあります。
そのため、ECN口座は特にコスト・約定力重視するトレーダーにオススメできるでしょう。
ECN口座の中でも特にオススメの業者は4つ。自分のニーズにあった業者を利用することをオススメします。
この記事を最後まで読んだあなたが、ECN口座について詳しく理解し、本当に利用すべきなのか判断することができれば幸いです。